(歯舞水産物地方卸売市場の外観)風蓮湖(陸揚げと選別作業)(場内の取引風景)日本一遅咲きの桜[根室の水産業]歯舞水産物地方卸売市場のある根室市は我が国の最東端に位置しており、同市のHPには『朝日にいちばん近い街』と紹介されています。北はオホーツク海、南は太平洋を臨み、面積506.25km2(歯舞群島含む)の細長い半島状の地形を有し、東は納沙布岬の先に海を隔てて歯舞群島、色丹島、北東には国後島、択捉島などの北方領土が連なっています。西には白鳥の湖として知られる風蓮湖を含む道立野付風蓮自然公園があり、中でも春国岱原生野鳥公園は世界有数の野鳥、水鳥の飛来地として知られる自然豊かな街です。気象状況は、夏は千島海流の影響で太平洋側に海霧が多く比較的気温の低い日が続きますが、秋は一転して好天に恵まれます。しかし、11月以降は北西の季節風が強く、厳寒期の2月にはオホーツク海側の沿岸域が流氷に覆われるなど厳しい気候となります。根室市の漁業は北方海域の豊かな水産資源を背景に北洋漁業の開拓とともに発展を続けてきました。また、同市の沿岸にはハナサキガニ、ホッキ、ナガコンブ、エゾバフンウニなど多種多様な水産生物が豊富に生息しています。歯舞地区の人口は1,881人で総戸数は643戸、これを産業別に見ると総戸数の9割近くが歯舞漁協組合員562漁家(令和4年12月現在))として漁業を営んでいます。主な漁業はサケ・マス流し網漁業、秋サケ定置網漁業、刺網漁業、篭漁業、採藻漁業等で、特に組合員の約80%は昆布漁に従事しており、潮流と厳寒な海に育てられた良質な「歯舞昆布」は煮上がりが早く「早煮昆布」として人気があります。[衛生管理と海業支援等の機能が一体となった複合施設]歯舞漁協は令和4年に水産庁の水産業強化支援事業を活用し、高度衛生管理型の水産物荷捌施設、防災施設、海業支援施設を整備しました。また、直轄漁港漁場整備事業により人工地盤関連施設、屋根付き岸壁、清浄海水取水施設、耐震強化岸壁が整備されています。これらの施設が一体となって、安全・安心な水産物の生産流通拠点、地域の防災・交流拠点、都市漁村交流拠点としての機能を発揮し、歯舞地域の発展に繋がることが期待されています。[歯舞の語源]「歯舞」といえば北方領土の『歯舞群島』が浮かびますが、歯舞水産物地方卸売市場のある「歯舞」は本島に所在する“もうひとつの歯舞”です。名前の由来はアイヌ語の「ハ・アプ・オマ・イ」、『流氷が退くと小島がそこにある』という意味があるそうで、「ハ・アプ・オマ・イ」を口に出してみると“ハボマイ”に聞こえるはずです。ちなみにロシア語では『歯舞群島』をハボマイ諸島(ロシア語: Острова Хабомаи)と表記するそうです。納沙布岬◇根室市の概要太平洋とオホーツク海に面した根室市は、北方海域の豊かな水産資源を背景に、古くから北方漁業の基地として発展してきた水産都市で、北方領土返還要求運動原点の地です。本土際東端の岬「納沙布岬」は、貝殻島や水晶島など北方領土を間近に見ることができる一番早く朝日と出会える場所です。平成17年に「野付半島・野付湾」(別海町)とともにラムサール条約登録湿地となった根室半島の付け根に位置する風蓮湖と春国岱は、ハクチョウ、オオワシなど日本で観察できる野鳥の半数といわれる約300種を観察することができ、湿原と森林、砂丘と変化に富んだ世界的(北海道振興局HPより抜粋)にも希少な自然が広がっています。 歯舞水産物地方卸売市場(北海道根室市歯舞地区)JR花咲線147市場のある都市市場のある都市
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