[仙崎の水産業]元乃隅神社◇長門市の概要仙崎漁港のある山口県長門市は本州の最西北端、県の西北部に位置します。東は萩市、南は下関市、美祢市に接し、市域は東西に40km、南北に20km、総面積は約358㎢、2020年の人口は約33千人です。市の北側は日本海に面し、北長門海岸国定公園に指定される海域の中心には海上アルプスとして知られる名勝・青海島があり、その東西に形成される深川湾、仙崎湾の2つの入り江は天然の良港となっていて、そこで営まれる水産業は地元の基幹産業の一つとして重要な役割を担ってきました。しかし、近年は天然水産資源の減少や漁業の担い手不足等により漁獲量が減少する一方で、消費者の魚食離れや低廉な外国産魚介類の流入などにより同市の水産業はかつての活力を失いつつあり、漁場の保全や水産資源の適正な管理による持続的な水産業の振興が重要な課題となっています。また、同市近海で水揚げされる水産物はそれぞれが漁場に近い漁港に陸揚げされることから、集出荷機能が分散されるなどの非効率な流通体制の改善も急がれるところでした。こうした中、2012年7月に8つの漁港に分散していた市場を仙崎市場に統合するとともに、施設の老朽化による危害要因を取り除くためハード・ソフト対策を講じた高度衛生管理型荷さばき所及び清浄海水導入施設(山口県漁協仙崎地方卸売市場)が整備され、効率的な集出荷体制が確立されるとともに衛生管理対策の強化が図られることとなり、その効果は地場産水産物の販路拡大やブランド力の強化などに繋がっているところです。[仙崎旬宣言]長門市では仙崎を代表する魚種を選定し、消費者に旬の時期を告知する「仙崎旬宣言」を行っています。例えば、ケンサキイカについては「仙崎ぶとイカ」として、長門市水産物需要拡大総合推進協議会が選任する3人の熟練した目利き全員が旬特有の季節型に入ったと認定した場合に漁協長門統括支店が仙崎旬宣言を発令します。また、マアジについては「仙崎トロあじ」として旬といわれる5月から7月の間に、近赤外分光分析により一定量のマアジの脂質含有量を測定、その平均が10%以上となった場合に発令されるなど、高品質な仙崎ブランドの維持と普及に取り組んでいます。[「こだまでしょうか」]『「遊ぼう」っていうと「遊ぼう」っていう。「馬鹿」っていうと「馬鹿」っていう』。東日本大震災後にACジャパンのTVCMとして繰り返し流された『こだまでしょうか』の作者『金子みすゞ』は明治36年大津郡仙崎村(現在の長門市仙崎)に生まれました。大正後期に彗星のごとく現れ「若き童謡詩人の巨星」とまで称賛されながら26歳の若さでこの世を去りましたが、みすゞ生誕100年に当たる平成15年(2003年)、みすゞが幼少期を過ごした書店「金子文英堂」跡地に「金子みすゞ記念館」がオープンしました。この記念館は没後50余年を経て甦ったみすゞの足跡をたどり、その業績を顕彰する記念館であるとともに地域の人々や全国から訪れるみすゞファンの文化活動・創作活動を支援するための交流拠点になっています。この土地が長門国大津郡として成立したのは、大化改新により国郡里制が構築された7世紀後半といわれています。江戸時代には長州藩下で前大津と先大津の両宰判に分けられ、明治に入ると大小区制により区分されました。その後、郡制復活や市制・町村制施行、昭和の大合併などの編制を繰り返し、旧長門市、大津郡三隅町・日置町・油谷町となり、その1市3町が平成17年3月22日に合併し、長門市としてスタートしました。 (長門市HPより)(夜明け前の仙崎市場)(仙崎漁港の水揚げ)(市場内のセリの様子)青海島金子みすゞ記念館千畳敷141山口県漁協仙崎地方卸売市場(山口県長門市)市場のある都市市場のある都市
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